犬伏 真子さん
(西部環境調査株式会社)

いぬぶせ まさこ課長補佐

ジャンル 働く・キャリアアップ専門職・研究職

職種 技術職

活動のエリア 佐世保市

プロフィール

打合せの様子

 大学で学んだことを活かせる分野の仕事でかつ、県内企業ということで今の会社に就職しました。
  私の仕事は海の自然環境を調べることです。漁船に乗って波や流れの強さを測ったり、海上の風を測ったり、そこに暮らす生き物やその生活環境を調べたりしています。何のために調べるか、というと、何らかの事業の前や工事中の状況を調査し、周囲への影響が大きくないかを調べるため、あるいはその場所の特徴を調べるためです。いろいろ調べることは結構楽しく、学生時代に取り組んできたことを活かせる仕事ができていることはとてもラッキーなことだと思います。
 当初(今でも?)女性が船に乗る事は珍しかったので、船長さんからは優しくしていただくことも多くありました。逆に女性だからできないということはなく力仕事も出来ることを示すことも必要でした。

線上での作業

 ここ5年くらいは再生可能エネルギーに関わる仕事が多く、他企業との共同開発事業を担当しています。新しい計測技術を取り入れるために電気やシステム、設計など全く知識のないことも関係してきてプレッシャーは大きいです。
 簡単には出来上がるはずはなく、トラブルも多く発生します。自分で解決できることはほんの少ししかなく、周囲のデキる人たちに支えてもらわなければ先には進むことができません。
 企業が集まって協働することで大きなものを作ることができますが、いい状態を保って協働することの難しさもあります。ストレスは大きいですが、外部の人との仕事で新しい知識が得られたり、多くの人との出会いがあることは、人生の財産になっていると思っています。

船上での作業

 プライベートでは、子どもが生きもの好きなことから、自然観察会を何度か企画、開催しました。
今住んでいる川棚町は海も川も山も近く、子どもが遊べる自然がたくさんあります。多くの自然に触れて欲しいと思い、川、海遊びや生きもの観察、焚火などを行いました。子供に豊かな原体験を!と言いながら、実は大人が楽しんでいたりもします(笑)何事も楽しいのが一番ですね。観察会の運営を通じて出会った仲間はそれまでの交友関係とは違った世界を持っていて、私自身の人生の楽しさが増えました。今はコロナの状況からなかなか集まれませんが、また落ち着いたら、企画したいと思います。
                    (令和3年9月現在)

ライフヒストリー

① 28歳:大学院修了、就職
② 37歳:結婚
③ 38歳:出産
④ 43歳:共同開発事業担当
⑤ 47歳:課長補佐

Q. 現在のお仕事(活動)の内容、始めたきっかけなどを教えてください。

 大学で学んだことを活かせる分野の仕事でかつ、県内企業ということで今の会社に就職しました。

Q. お仕事(活動)と家庭の両立で工夫していることは?

 多少経費は掛かっても時間を作ることを優先しています。家事はできる範囲でやるものと割り切っています。できる人が出来る家事を担当するようにしていて、私は食事、夫は掃除、洗濯の係です。名もなき家事も気づいた人、気になる人がすることにしています。
 また、今どのような仕事に取り組んでいるのか、子供に話すようにしています。(守秘義務がありますので全ては話せませんが。)出張などもあり、子供を不安にさせてしまうことがあると思うので、不安を少しでも小さくするために可能な範囲で説明しています。結果、仕事を理解して応援してくれているようです。
 昨年度はコロナもあり子供の心がとても不安定でした。夫は単身赴任で家には私と子供しかいない状態でしたので、思い切って会社に相談してしばらくテレワークさせてもらいました。それまで制度がなかったのでテストケースとして受け入れてもらいました。

Q. プライベート(休日)の過ごし方は?

 独身の頃は休日は(も?)海へ出て、ヨットに乗っていました。今は子供と海や川に釣りに行っています。

Q. 座右の銘(好きな言葉)は?
理由などあれば合わせて教えてください。

「なるようになる(する)」「ありがとう」

 どうにもならなそうなことでも、なんとかしなきゃならないことがありますが、困難なことがあっても意外と何とかなるものです。今は大変でもなんとかなる!と思って乗りきっています。また、「ありがとう」は幸せの合言葉だと思っています。周囲の方に育てられて今があることに感謝です。

Q. これからしたいこと(今後の目標)は?

 年齢的にももう次世代を育成する立場にあります。昨年度しばらくテレワークした経験から、自分の抱えている仕事を手放していかないといけないなと思えるようになりました。これまでは打たれ強さを武器に「いろいろ言われても動じない。してもしなくても文句を言われるのならやってみる」と前に立つことが多かったのですが、今後は「そういえば、あの人なにしてるんだろう?」と思われる程度にだんだん後方支援に回っていけたらいいなと思っています。消極的に感じられるかもしれませんが、自分の仕事を次世代に託すということは結構大変で大きな目標だと思っています。
 一方、自分ができる、世の中に貢献できることって何かな?ということも考えるようになってきました。仕事で世代をつなぐこともそうですが、地域での活動でも何か役にたつようなことができればいいなと思います。

Q. 後輩女性へのメッセージをお願いします!

 若い世代では女性が働くことも普通で、女性も男性も仕事も家事も育児もシェアすることが当たり前になりつつあると思います。一人で抱え込まず、相手に思い切って任せると、最初は大変でも案外うまくいくと思います。また、新しいチャレンジには失敗がつきもの。先輩がフォローしてくれるのでどんどん安心して失敗して大物になって下さい。
 家事や子育てを経験していると、仕事の進め方や人との付き合い方にも共通することがたくさんあり、時間の使い方や周囲への寛容さ、気づきに差が出てくると思います。これまでは女性ならではの能力とされてきた部分だと思います。性差もあると思いますが、経験値の差が大きいと思いますので、男性にも経験値を上げていただいて、これからは「女性活躍」などとタイトルが付くことがない社会になることが本当の女性活躍だろうと思います。