糸屋 悦子さん
(季刊誌「樂」の創刊)
いとや えつこビジュアル性にこだわった大人の雑誌「樂」を創刊
ジャンル 教育・文化・芸術
職種 経営新聞記者・出版関係接客・サービス業
活動のエリア 長崎市
プロフィール
“起業するタイミングは世間的には遅かった。”
2001年創業なので、今年でちょうど16年目に入りました。44才のときの創業ですから、周囲もびっくり、親は猛反対でした。いつもなぜその年で?と聞かれるのですが、自分ではごく自然にどんどん流れに乗ってしまったという感じです。これまでの経験や知識、人とのつながり、そして何よりも自分の強い思い、私の場合は、世間的には遅いといわれるこの時点が新しいことを始めるいいタイミングだったのでしょうね。会社を辞めたのが3月末。6月1日には会社を立ち上げました。会社ってどういうふうにしたらできるのか、それさえも知らずにチャレンジしたのですから、周りの支援があればこその起業でした。
現在、会社は3つの部門があります。創業するきっかけになったホームページ制作部門、飲食部門、そして出版です。経営する和食店の運営は主に主人がやってくれているので、主に活動しているのはホームページ制作と出版・デザインです。
“デジタルから紙媒体(アナログ)へ 季刊誌「樂」の誕生”
インターネットの草創期のころ、勤めていた会社がインターネット部門を立ち上げ、そこで一から学んだことが、現在の仕事の柱になっています。特に情報発信ということについては、ネットが便利で早くて安価。しかも情報満載。仕事も次第に観光コンテンツを扱うホームページ制作が増えてきました。
ところが、観光情報が蓄積していくと、なんか違うと思うようになったんです。長崎の歴史や文化の奥深さはもう少し違う発信の仕方があるのではなかろうかと。廃刊になってしまった月刊「太陽」は大好きな雑誌でした。飛行機の機内誌も。長崎の情報はこんな本で発信した方がいいのにという気持ちが、「よし、やってみよう」に変わったのは、広島で出版されている124ページの情報誌を見たときでした。
それから約1年かけて準備し、紆余曲折ありながらも予定より一月遅れて2008年7月に創刊したのが季刊誌「樂(らく)」です。一番うれしかったのは、色校正の見本ができあがったとき。手にとってこれが作りたかった雑誌なんだと感慨ひとしおでした。
“続けていくことは至難の業だけど樂の仲間は宝物。”
しかしそれからがたいへん。プロのクリエイターがプロジェクトチームのように集まって雑誌を作っていくという今までにないシステムを確立させるのも、そして資金的にもです。2号を作るときはほんとうに悩んで体調崩しましたね。それでも3号がでたときには「続けていくしかない」と腹をくくりました。今年で9年目。県外に住む長崎出身の方や長崎大好きという読者の方に「がんばって、続けてください」と言われるのが一番励みになりますね。
それと樂のクリエイターとの関係。最初はそれぞれが独立したクリエイターをフラットな関係のままどうまとめていくのか、試行錯誤の連続でした。今も創刊当時から協力してくれているスタッフがほとんどなので、樂以外の仕事を樂チームとして一緒に取り組む機会も増えてきました。樂という雑誌を作ったことによってできた仲間は私にとっては宝物だとも言えますね。
“将来は今の仕事を深化させていきたい”
今後の夢というか目標は、今やっているすべての部門の仕事を少しずつ変化させて行ければと思っています。進化であり深化です。樂の発行は事業の要だと思っていますので続けていきたいですし、これまでのコンテンツを利用した出版もですが、いろいろな形でコンテンツの具現化に取り組みたいと思っています。
これは夢に近いですが、70歳代で元気だったら毎日お店のカウンターに立って手料理をつくり、長崎弁ばりばりで、来てくれたお客さんをしかり飛ばすような元気な女将さん、いいですね~。
(更新 平成28年3月)
ライフヒストリー
48歳 和食店「絲屋」開業
51歳 季刊誌「樂」創刊
Q. 座右の銘(好きな言葉)は?
理由などあれば合わせて教えてください。
判断、思想、意見などに筋道が通っていてはっきりしていること。自らのあり方がはっきりとしていて濁りなく清らかな様子。
昔から透徹(澄んで濁りがない)という言葉が好きでした。常にそうありたいと思っています。
Q. これからしたいこと(今後の目標)は?
Q. 後輩女性へのメッセージをお願いします!