田中 裕子さん
(田中米穀店)
たなか ゆうこ田中米穀店
ジャンル 農林水産・食品教育・文化・芸術
職種 接客・サービス業
活動のエリア 雲仙市
プロフィール
“米屋の仕事と食の講座”
私が米屋の仕事をするようになって18年が経ちます。その間、模索しながらも多くの人と色々な場所で出会い、食を通して繋がることができました。最初の4年位までは、通販を立ち上げ、日々の更新と運営が主でした。その中で月に1・2回、食の講座依頼を受け、料理教室を行っていました。それは、お米や雑穀の美味しさ使い方は、写真や言葉だけでなく、実際に作ったり、食べてもらわないと伝わりにくいなと思ったからです。
しかし3年程前からは、時代の変化と共に、特に食の講座が大きく様変わりしてきました。それまで主に依頼があった、官公庁の講座と並行して、最近とても多いのが、民間や個人からの依頼。これは、SNSの発達により、個々がイベントを考え、集客までできるようになったことが1つの大きな要因となっているようです。
昨年行った食講座は、エステサロン、モデルハウス、木工所、直売所、キャンプ場、カフェ、古民家など様々な場所。時には最新のキッチン、時には薪でご飯を炊くといった感じで、どんな所でも対応できる自分であるべく、柔軟に取り組んできました。
“日々の食をシンプルに 楽しく教え広めたい”
食べるというのは、全ての方々に共通するものであり、生きていくために必要なもの、そして日々の楽しみでもあります。しかし、今は情報が氾濫していて、食が悩みになっていることを、皆さんとお会いして会話するなかで感じます。
中国故事「多岐亡羊」これは、枝道が多いため、逃げた羊を見失うように、道があまりに細分化しすぎ、真理が見失われがちになるたとえのことです。料理を作ることも食べることも大好きな私にとって、それはとても勿体ないことだと思うのです。ですから、私にできることは、体を作る元になる日々の食を、難しくなく、シンプルで楽しく捉えてもらうこと。
虚弱でアレルギー体質だった私が、自らの体質を改善するために食の勉強をし、体感してたどり着いたのは和食。代々日本人が食べ繋いできた、お米や雑穀と味噌汁に季節の旬野菜。何も難しいことはないですし、身近にあるものばかりですね。
米屋に嫁ぎ、自然豊かな雲仙市で生活するようになったお蔭で、それに気づくことができ、今は薬や病院のお世話にならず、心身共に健康で過ごすことができる幸せを噛みしめています。それと同時に「私と同じように悩んでいる人に教え広めたい」という思いで、活動を続けています。
“時間の制約の中でも精一杯自分らしく”
私は、中学生と高校生の子供が2人いて、主人の家族と同居しています。働く時間は、平日の夕方位までと自分の中でおおむね決めており、今はそれが、心身共に無理なく仕事を続けられるペースだと感じています。
元々働くことが大好きなので、結婚する前までは「性別問わず、与えられた仕事を思いっきりやる」というのも、充足感を感じるものでした。しかし今は「時間の制限があるからこそ、その中で自分ができることを精一杯やっていきたい」と思いますし「今できる私らしい表現で、皆さまの何か役に立つことができたら幸せだ」と思えるようになりました。
これは、自分がやりたいという気持ちだけではなく、自分を必要としてくれている人がいてそれに応え、そして周りにも何かできる喜びというのを、子育てや同居を通して体感し、そう思うようになったのではと感じます。これからも、情勢は日々変化していくと思いますが、私たちが食事をするということは決してなくならないことですよね。柔軟に対応して、皆様と楽しく食を通しての交流ができたら嬉しいです。
(更新 平成28年3月)
ライフヒストリー
37歳 日本薬草料理コンテストで最優秀賞をいただき、島原薬草会に入会
37歳 地元の公民館講座で料理教室を始める
38歳 2級ウェブデザイン技能士を取得
41歳 この年献上米に選ばれた対馬赤米の「御田植え祭」に出席
Q. プライベート(休日)の過ごし方は?
Q. 座右の銘(好きな言葉)は?
理由などあれば合わせて教えてください。
自分の特性を知れば、どんな環境でも、その特性を活かして働くことができ、自分で立って、社会に役立つ人になれる。
Q. これからしたいこと(今後の目標)は?
今は、「何となく」「お金のために」働くのはモヤモヤする時代。「自分に合う仕事を見つける」といいますが、その“自分”が分かっていない。自分を知ることは、今後の生き方に大きく変化します。
Q. 後輩女性へのメッセージをお願いします!
私もそれだけをやってきた様に思います。好きなことは周りにも波及し、それが誰かの役に立ち、ひいては社会にも役立つことになると思います。