浦川 末子さん
(長崎県教育委員)

うらかわ すえこさん /長崎県教育委員

ジャンル 子育て・福祉教育・文化・芸術

活動のエリア 長崎市

プロフィール

講演

 小学校5年の時から「先生になる」と決め、ぶれることなく貫いてきました。動機は、母が「先生は世界一偉い人。先生の教えを守ったら立派な人になれる」と言い続けて育ててきたからです。親の願いに応え世界一立派な人になろうと思ったようです。
 教師の仕事は実に面白くやりがいのある仕事でした。子どもの変容を見届ける醍醐味は格別でしたし、PTA活動がまた楽しくて、半世紀超えた今でも当時の保護者との親密な関係が維持できていることは最高の宝です。
 結婚するときがまた傑作です。
 初めての挨拶場面で、父が夫に言った言葉「これから共働きをしていく上で大変だと思うけど、娘の仕事を辞めさせないで頂きたい。どんなことが起きても家族が路頭に迷わず、子どもには教育を受けさせることが出来るよう、それだけは約束して頂きたい。」明治生まれの父は先見の明があったかも。

 夫婦管理職はあり得ない時代、どちらかが管理職になったら一方は辞めなければならない時代です。
 県教育センターで「教頭格付」を頂いた時、夫にどう説明し、どう理解を得ていくか何日も何日も悩みましたが、結論が出ず、成り行きに任せる事にしました。
 県生涯学習課長時代に長崎で幼児誘拐殺害事件がおきました。
 「なぜ長崎で起きたのか?」「なぜ子どもが子どもを殺したのか?」報道陣のフラッシュを浴びながら初めての記者会見で応えられない無知と不甲斐なさに震えたことは忘れられません。
 その後、こども政策局に着任し、子どもの問題が体の奥まで浸みこんでいることもあり、本気で子どもの問題に取り組みました。
 新設部局故に、全員が一丸となって議論し、寝食を忘れ体制を整え「子どもを守る政策」の具体化に邁進した日々の記憶は実に鮮明です。
 当時の職員はまさに戦友でした。

保育園の相談役として運動会に参加

 公務員を終え、保育者養成に関わることになりました。
 「人間の幸福を決定づける幼児期に関わる専門職を育成する」ということは私にとってまさに宿縁を感じました。
 私の人生の総決算として、「子どもを抱きしめる優しい保育者になれ」と「愛着形成と保護者支援論」を必死に説きました。
 6年間で養成した600人を超えるご縁のある保育者たちに期待しています。

【役職】
 ・県教育委員
 ・県福祉保健審議会委員
 ・社会福祉法人五蘊会理事
 ・NPO法人子ども活動支援センター理事
 ・社会福祉法人正道会理事
 ・株式会社メンタルサポート研究所顧問
  教育と子育て支援を中心に各種会合に参加し、講演活動等を行っています。


(更新 平成30年3月)

ライフヒストリー

47歳 学校で管理職スタート、地域づくりに関心を持ち夜なべ談義に参加
53歳 県生涯学習課で「ココロねっこ運動」に取り組む
59歳 子ども政策局で、「子どもに関する施策と支援」を推進
62歳 保育者養成に当たり、「子どもを抱きしめる保育者」にこだわる
67歳 学長時代「保護者支援・教育研究所」を起ち上げ大学の社会貢献を目指す

Q. 現在のお仕事(活動)の内容、始めたきっかけなどを教えてください。

昭和60年代、朝食抜きや孤食、キレル子、育児放棄や学級崩壊等の言葉が登場、核家族や育児に対する親の価値観の変化と時を同じくして、子どもたちに異変を感じ始めました。
「荒れる子どもの予防策は何か」「信頼関係はどうしたら築けるか」等の課題が自己テーマになり、教育だけでは解決できないと知り、医療や福祉・警察の学習会に関心を持ち、子どもの発達や心理の面から学び始めました。

Q. 座右の銘(好きな言葉)は?
理由などあれば合わせて教えてください。

「十億に十億の母あらむも 我が母にまさる母ありなむや」(暁烏 敏)

子どもの幸福な将来を保障するもの、人格の土台を形成するもの、それは幼児期に愛情ある抱っこで育てられる「愛着形成」によると言われています。
親は困った子でも愚かな子でも世界中の全ての人が見捨てても決して我が子を見捨てません。
子どもは抱きしめられ、守られることで心が安定し向上するのです。

Q. これからしたいこと(今後の目標)は?

①「先生」を大事にして子どもを育てる風土づくりに努力したい。
②「放課後児童クラブ」で子どもたちに「人間力」と「社会性」を育みたい。
③子育て家庭の親たちを支え、励まし、笑顔溢れる女性が活躍できる長崎県にしたい。

Q. 後輩女性へのメッセージをお願いします!

女性が主体的に活躍できる時代が到来しました。先人の涙の歴史のおかげです。 
台所を司り、家庭経営を仕切ってきた女たちは、段戸りを整え、人と人を繋ぐ力を身につけ、タイミングを計るなどの調整力を蓄えてきました。
今こそ皆の幸福を願って潜在力を発揮する時です。