田崎 留美子 さん
(ネイルサロンNAIL‘ SRAVI 代表)

たさき るみこネイルサロンNAIL‘ SRAVI 代表

ジャンル 起業・経営教育・文化・芸術

職種 経営技術職接客・サービス業

活動のエリア 長崎市

プロフィール

田崎留美子さん

 今の仕事に就く前は15年間、企業でOLをしていました。
 仕事に特別不満はなかったのですが、当時の上司と合わず、また、家と会社を往復するだけの単調な毎日に、『何かを始めたい!』という気持ちが募っていました。
 そんな時雑誌で、【ネイリスト】という職業を目にし、長崎にもスクールがあることを知り、なんとなく『話だけでも聞いてみようかな』と思いました。
 当時はインターネットもそこまで普及しておらず、当然スマホなんてものもありません。ネイルサロンやネイルスクールがどんなところなのか?ネイリストがどんなものなのか??等の情報も少なく、特別美容オタクでもないし手先が器用でもない(どちらかといえば不器用な)私に向いているのか?不安でしたが、スクールの先生はとても丁寧に優しく説明してくださって、『不器用な私でもやり遂げられるかも』と思い入学を決めました。
 実際にネイルスクールで勉強してみると、何気なく爪切りで切っていた爪が大切な身体の一部であること、爪がなければ物を掴むことも字を書くことも、歩くこともできないことを知りました。
 また、色を塗ったりアートを施したりしなくても、爪周りのお手入れをするだけで指先が見違えるほどキレイになり、健康な爪へと変わっていくことに感動し、『こんな小さなパーツでこんなにも大きな幸せが得られるなら、その幸せな笑顔を私がたくさんの人にプレゼントできたら嬉しいだろうな』と思いネイリストを目指すようになりました。

スクール授業風景

 スクール卒業後、勤めていた会社を退職しアメリカに留学して、カリフォルニア州のマニキュアリストライセンスを取得しました。
 日本は今でもまだ、ネイリストは国家資格ではないのですが、アメリカなどは国家資格であること、ネイルの本場の技術や知識を学びたいと言う気持ちもあり、安定した職業から離れることに迷いはありませんでした。
 無事にライセンスを取得し帰国後、学んでいたスクールの併設サロンで働いていましたが、今度は、国内での自分の実力がどの程度通用するのかを知りたくて、民間の試験ではありますが、日本ネイリスト協会(JNA)主催の検定試験を受けることを決め、福岡のネイルスクールに通うためにお世話になっていたサロンを退職し、独立という道を選択しました。
 そして、2000年にお客様の爪と肌の健康を考えるネイルサロンを開業、2002年、県内で初めてJNA認定講師試験に合格したのを機に、真のプロネイリストを育てるネイルスクールも開校しました。
 今は、ネイルサロンでのサロンワークとネイルスクールでの講師の仕事をしています。
 独立後も、自分の技術・知識向上のためと、お客様への施術やスクールの授業にも活かせる様にと、東京や大阪のネイルスクールに通いましたし、ネイルメーカーのエデュケーター資格も取得しました。
 今は、ネイル商材だけではなく、化粧品などもお客様の爪や肌の状態でアドバイスできるよう、成分の勉強をしています。
 また、スクール生が卒業後も活かせるよう、ネイルサロンにかかわる様々な法律・広告表示も勉強し、カリキュラムに組み込んでいきたいと思っています。

手にできない人でもできるフットケア

 この仕事をしてきて、ネイルサロンでは、お客様がリラックスし笑顔でお帰りになるのを見るのが何よりの幸せですし、ネイルスクールでは、何もできなかったスクール生の成長を見るのが楽しいです。
 講師になったころは、『講師は完璧であるべき!』との理想像に押しつぶされそうになりましたが、恩師から『講師だって人間!失敗することもあるけどそれも認めて生徒に見せていけばいい』との言葉をいただき、ずいぶん楽になりました。
 それからは、失敗も含め自分が経験してきたことすべてを伝え、お客様の爪のことを考え【自分で判断でき即戦力となるプロネイリスト】を育てることを意識しています。
 お陰様で、今までたくさんの卒業生がプロネイリストとしてサロンに就職したり独立したりと、県内外各地で活躍してくれています。
 ネイルサロンはスタッフの出産や転居が続き、また私自身の結婚もあり、独立当時のようにマンションへ移転して、一人でプライベートサロンとしてリニューアルオープンしました。
 プライベートサロンは、お客様とも今まで以上に深いお話しができ、まるで家族のような関係に変わってきています。
 他にも、たくさんの壁や転機がありましたが、その度に母や夫を始め、周りの方たちから背中を押してもらったり助けてもらったりしました。OLを続けていたら出会えなかった方たちにも、たくさん出会えました。私にとってこの仕事は、人の大切さを知り、人との繋がりを深くしてくれるとても大事なものです。

(更新 平成30年1月)

ライフヒストリー

33歳 カリフォルニア州のライセンス取得の為、15年間のOL生活にピリオド を打つ
34歳 勤めていたサロンを退職後独立し、ネイルサロン『NAIL’S RAVI』開業
36歳 認定講師試験に合格し、ネイルスクールを開校
38歳 マンションから店舗へと移転。同時にスタッフ教育・専門学校の外部講師の経験も始まる。
46歳 古川町にプライベートサロンとして移転オープン
52歳 日本爪肌育成美容検定協会主催 爪肌育成マエストロ検定合格!(予定) 

Q. お仕事(活動)と家庭の両立で工夫していることは?

家事で無理をしないこと。できないときはやらない。散らかっていても目をつぶる(笑)。
自分がどうしてもやりたいことがあったら犠牲にしないし、夫がやりたいことも犠牲にさせない。幸運な事に夫がとても理解があるので助かっています。

Q. 座右の銘(好きな言葉)は?
理由などあれば合わせて教えてください。

「自分を磨けば周りが輝く」

外見だけではなく、自分の知識・技術・人間性を磨けば、周りの人たちをもっときれいにでき、幸せでキラキラ輝いた笑顔をプレゼントすることができる。

Q. これからしたいこと(今後の目標)は?

長崎では一番歴史のあるネイルサロン・ネイルスクールになりましたが、技術知識に終わりはありません。
まだまだ勉強し、お客様が【困ったときの駆け込み寺的なお一人お一人のパーソナルネイルサロン】として、卒業生たちがいつでも帰ってこられる【実家的なネイルスクール】としてあり続けたいです。

Q. 後輩女性へのメッセージをお願いします!

私がネイルを学び始めたのは30歳を過ぎてからと遅いスタートで、もっと若い頃に始めておけば・・・と思う時もあります。
もし今迷っているなら、思い切って一歩踏み出してみましょう!
一歩が怖いなら半歩でも!!半歩踏み出すと、もう半歩が踏み出せるかも。
そうやって少しずつ進んでいくと違った世界がきっと見えてくるはずです。
世界が広がればいろんな人と出会えます。いろんな話が聞けます。たくさんの勇気がもらえますよ。