田上 美香さん
(夢クリック(中小企業診断士))

たがみ みか夢クリック(中小企業診断士)

ジャンル 起業・経営専門職・研究職

職種 コンサルティング

活動のエリア 島原市

プロフィール

初めまして、中小企業診断士の田上美香と申します。2013年度の“F”プロジエクトのロールモデルとして取材して頂きましたが、今回はこのような場に紹介頂けて、とても光栄です。私は、大学を卒業後、市内の中小企業に就職して経理・事務を担当していましたが、縁あって島原の方と結婚し、現在は嫁ぎ先の島原市に住んでおります。夫が自営業でしたので、2人の子供を育てながら経理の手伝いをし、経営学科であったこともあり経営の勉強も兼ねて中小企業診断士を目指しました。
 中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。法律上の国家資格として、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録します。中小企業診断士の登録者数は約22,000名ですが、うち女性数は約5%と女性率がとても低い資格です。私も長崎県では初の女性登録者ということで注目していただき、たくさんの頑張る働くお母さん方がおられるなかこのような機会を与えて頂き、大変光栄に思っております。
 資格の受験中は、市販のテキストや過去問を使った独学で、子供達が保育園に行っている間の仕事の、そのまた間の隙間時間を使っての勉強で、当初は真剣に勉強すると言うより興味本位でした。しかし、勉強を進め行くうちに、今までの知識を活かすことができることが分かり、そこからはかなり真剣に勉強し、なんとか合格する事が出来ました。

 中小企業は、中小企業基本法第2条で定義されています。本当はもう少し細かいのですが大雑把にいうと、資本金という事業の元手になる金額が一定額以下の企業を中小企業と言います。私は、中小企業“サイコー”(それぞれ資本金が製造業3億円以下、卸売業1億円以下、小売業0.5億円以下)と覚えていました。ほとんどの企業が中小企業に当てはまります。日本の企業の99.7%が中小企業です。どんな大企業も最初は事業主が、製造も販売もする小規模事業所だったはずです。そこから自らの強みを活かし、競合他社に優位に立つ経営革新を起こして高収益企業に成長する可能性を秘めているのが中小企業、まさに中小企業最高!ではないでしょうか。

 開業するにあたって税務署に開業届を提出するのですが、事業所名は夢クリックとしました。「夢クリック」という名前は、漠然と抱いている創業への夢やアイデアでも、実現したらまったく別の世界が開ける可能性がある、キーワードとして“ACT!”行動を促したい、クリックするように気軽に行動してみましょう!という思いで付けました。出産・育児でキャリアが中断する有能な女性が、再び社会に出て活躍する場を得ることが出来るよう、起業という形での再出発を支援していきたいと思っています。

 IT革命が起こり、情報の発信力が、大企業から個人へとシフトしてきており、インターネットでのスカイプ、フェイスブック及びスマートフォンでの様々なアプリ等を使うことで、小さな会社でも世界を相手に事業ができる環境が整ってきていると思います。また、起業希望者の方、実際に経営者になられた方は、様々な課題に遭遇されます。そのような方々の課題解決のお手伝いをするサポート役の一員になれればと思っています。

 とはいえ、高齢の義理の父母と同居しながらの三度の炊事、洗濯、子供の送り迎え等々、家事と子育てをしながら仕事をすることは、想像していたよりも大変でした。思うように時間が確保出来ず、家庭と仕事を両立出来ているとは言い難い現状です。しかし、家事も子育ても大切な家族のために私が出来る素晴らしい仕事の一つに違いないと思っています。

 現在学生の方は、社会に出ると、あちらこちらに男性仕様に作りあげられた仕組みがあることに気が付くことになると思います。その時の対処法ですが、正面からぶつかるだけでなく、「押しても駄目なら引いてみな」の精神で、しなやかにくぐり抜けられないかやってみることをおすすめします。人間だからこそ女性だからこそ、どんな経験もプラスに変えて前進していけるのではないでしょうか。子育てしながら親も子に育てられると言いますが、私もゆっくりと少しずつ前進していこうと思います。最後に資格取得を勧めてくれて、色々と応援してくれる夫に“ありがとう”。最後まで読んで頂きありがとうございました。

(更新 平成28年3月)

ライフヒストリー

34歳 結婚して島原に嫁ぐ
35歳 家業の経理事務に就く
39歳 中小企業診断士試験の勉強を始める
40歳 合格、中小企業診断士として活動を始める
42歳 しまばら創業サボートセンターの専門支援員に就く

Q. 現在のお仕事(活動)の内容、始めたきっかけなどを教えてください。

現在は、しまばら創業支援センターで、創業希望の方の支援を行っています。
創業者の方から、希望通りに無事開業出来ましたという報告を聞くと嬉しいです。
センターの支援員には、税理士の先生や社労士の先生もいます。
島原で創業予定の方は、それぞれ、専門分野での支援が受けられるので、是非たくさんの方に利用してほしいです。

Q. お仕事(活動)と家庭の両立で工夫していることは?

目の前の今出来ることに集中する。
段取りを考えるついでに、あれもしなきゃこれもしなきゃと考えてストレスになってしまいがちなので、段取りを決めた後は、目の前のことに集中するようにしています。

Q. プライベート(休日)の過ごし方は?

家事を済ませた後は、家でゆっくり過ごすのが好きです。

Q. 座右の銘(好きな言葉)は?
理由などあれば合わせて教えてください。

【思い立ったが吉日】

あれこれ悩むより、とりあえずやってみよう、という気持ちを後押ししてくれる言葉だから。

Q. 後輩女性へのメッセージをお願いします!

時々、自分の棚卸をしてみて下さい。
創業時は、創業者の方の棚卸をし、強みは何か、その強みでどんなチャンスを捉えようとしているのか、ということを話し合います。この分析は、自分で事業を起こさなくても、仕事上で次のステップに進みたいという時にも役立ちます。自分の棚卸とは、今の自分が持っている経験や技能、人脈など、有形無形の資産は何があるかを考えることです。
本を参考にしたり、誰かとお互いに考えてアドバイスし合ったりするのもいいと思いますよ。